世界保健機関(WHO)の最近の報告書によると、神経系疾患は世界的にみて身体障害の主な原因となっているようです。WHOの調査によると、神経系疾患は2016年の世界の死亡原因第2位となっています。最も一般的な神経系疾患としては、脳卒中、偏頭痛、認知症、髄膜炎、てんかんなどがあります。WHOは、特に多くの発展途上国において神経系疾患の治療が十分に発達していないことを懸念していますが、富裕国では神経学的知識が不足しているわけではありません。
2021年、ある医療専門紙が「世界で最も優れた専門医と設備を有する神経内科病院」というランキングを発表しましたが、ここでは同ランキングの中から、世界トップレベルの神経内科を持つ病院を厳選しました。気になる方は、ぜひ続きをご覧ください。
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メイヨー・クリニック(米国、ロチェスター)
メイヨー・クリニックは世界最大級の神経科クリニックで、200人におよぶ臨床医が毎年10万人以上の患者を治療しています。同クリニックでは、これまでに複雑で珍しい神経系疾患の数々に対処してきており、U.S. News & World Report誌による2021-2022年の全米で最も優れた神経内科・脳神経外科病院の一つに選ばれています。
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ピティエ=サルペトリエール大学病院(フランス、パリ)
ピティエ=サルペトリエール大学病院にあるICM研究所は、フランス初の神経医療研究センターとして2010年に設立されました。科学的創造性と治療目的をうまく融合させた同センターは、700人以上におよぶ研究者と臨床医、10ヶ所もの最先端の研究施設を誇っており、神経系の新たなアイデアを成長させる専門的な場所となっています。
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国立神経学脳神経外科病院(英国、ロンドン)
NHNNとも呼ばれる国立神経学脳神経外科病院は、ロンドン財団トラストの一部であり、英国最大の神経内科・脳神経外科を専門とする大学病院です。同病院と隣接する神経医療研究センターは、神経学の研究と教育を目的とした国際的に著名な施設となっています。
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シャリテ・ベルリン医科大学(ドイツ、ベルリン)
シャリテ・ベルリン医科大学に付属しているシャリテセンター15は、神経内科、脳神経外科、精神医学、小児脳神経外科を専門に扱うドイツ最高峰の研究所です。同センターは、2004年から2006年にかけて約2,350万ユーロの融資を受けた結果、130名におよぶ医療スタッフが研究プロジェクトに従事しました。同病院は、ベルリンのニューロキュア・クラスター・オブ・エクセレンスを牽引しており、さまざまな分野の医師や専門家が協働し、画期的な研究を行っています。
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マサチューセッツ総合病院(米国、ボストン)
マサチューセッツ総合病院は、神経内科、精神医学、脳神経外科の専門家を集め、患者のための治療法を開発しています。マサチューセッツ州内に脳神経科学センターを構えており、毎年約1,200人もの神経系疾患の患者の治療にあたっています。マサチューセッツ工科大学のNIH資金の3分の1近くは、同病院が行う神経科学研究に費やされているそうです。
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クリーブランド・クリニック(米国、オハイオ)
クリーブランド・クリニックは、U.S. News & World Report 誌によって全米で最も優れた神経病院の一つに選ばれています。同クリニックの神経医療研究所は、300人以上の神経内科、脳神経外科、脳神経研究の専門家を擁しており、神経系疾患を持つ患者を治療しています。また、クリーブランドのほかに、ロンドンとアブダビに海外キャンパスを構えており、同クリニックの神経学的専門知識は世界中で利用されています。
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IRCCS財団 カルロベスタ神経学研究所(イタリア、ミラノ)
2017年よりミラノ大学の傘下となったカルロベスタ神経学研究所は、珍しい神経系疾患の研究に特化した世界最高峰の施設です。神経内科の病床は170床あり、入院は年間5,500件、外来受診は年間90,000件以上を受け入れています。